エルゴヒューマン 背もたれ修理 DIY
2009年にエルゴヒューマンのブラント(今は廃止されてるモデル?)というオフィスチェアーを通販で買いました。
ハーマンミラーの様なメッシュ素材の立体的な造形の座面や背もたれ、そして先進的なかっこいいデザインそして安い!
通販で届いた実物は細かいところはチープですがなかなか座り心地もよく蒸れません。安いので満足してましたが3年ほどたったある日、背もたれを倒して寄りかかると
バキ!
という破壊音とともに背もたれの角度がさらにたおれました。
背もたれを元に戻そうとしても元の位置まで戻りません。
この椅子は背もたれ角度を3段階で固定できるのですが一番立てた状態でも中断くらいの角度にしかなりません。
保証もちょうど切れたてなので、しばらく我慢して使っていました。
ちょっと時間ができたので分解してみて、可能なら修理しようとトライしてみました。
豆に写真撮ってないのでいきなり分解写真ですが、座面下のプラスチックカバーを開けてみると背もたれを支えているのは2本の細いシャフトです。直径は10mmでした。背もたれのフレームの頑丈そうなデザインに比べると華奢に見えます。
そしてすぐに故障原因が判明しました!
シャフトがぱっくり折れています。
さらにアップで。
アルミ製のバスタブ型フレームに直接タップ立てて鋼製ボルトをねじ込んで支えている構造ですね。10mmのシャフトにM6のねじが切ってあり背もたれフレームを支えているようです。
背もたれの高さと支点の位置関係、アルミに直接タップをたてM6のネジで支えるなんて設計的にかなり無理があるように思えます。
反対側はどうでしょう。折れてはいないようです。
片側に力が掛ったこともありすでにタップはむしれてがたがたです。このまま組み立てることは不可能です。
ボルトは見事に折れてます。M6ネジ部の根元でぽっきり。
そりゃあ折れますよね、背もたれの高さ、てこの原理、応力集中、M6ネジの谷の直径は5mm以下ですから。
さて問題はどう修理しますか・・・
アルミのフレーム部分を外しタップ部分をチェックします。
両サイドとも再生不能です。M10にサイズアップしてタップを立て直そうにもタップ部の板厚も7mm程度しか無いので当然強度が持ちません。
しかしアルミにタップを直接建てる場合は鋼板より強度が劣る分板厚を増やしてねじ込み深さを確保するのですが、これは鋼製1種ナットと同じくらいしかありません。
アルミなので自宅DIYで溶接することもできないしどうしたものか。
ググってみると修理に出したらユニット交換が必要といわれ、買う分ぐらいかかるとブログに書いている人もいました。
ミツトヨ(Mitutoyo) M形標準ノギスN15 530-101 1台 価格:4,683円 |
そんなコストはかけられません。
折れたシャフトはちょうど10mmだったのでM10のボルトを代用しアルミのフレーム部は3種ナットで代用及び補強することにしてみました。
ジョイフルAKでM10ボルトを調達。
タップは立てずに3種ナットで代用。何とか隙間にはまりそうです。
壊れたタップ穴は10mmで通し穴をあけてナットを内側にあてがいます。
さすがにそのままでは入らないのでナットを削って小さくしました。
そして、こんな感じにはめ込みます。周りを少し削りました。
背もたれをロックする機構をつけると少し干渉するので削りながら位置合わせ。
次に、ボルトをフレームに通し、アルミのフレームを内と外からナットで挟み込み固定します。
後は元通り組み立てて背もたの部分はこれで完了。
しかし、分解中にもう一つ不具合が発覚しました。
リクライニングの反発する強さを調整できるノブがあるのですがこれが効いているのか効いてないのか分からない状態でした。背もたれ修理のためスプリング部分をばらしたのですが衝撃の事実が・・・
この椅子は、スプリングを支える台座がテーパー形状になっておりノブを回すとスライドして台座の高さが変わる機構になっていました。しかしばらしてみると、
粉々に壊れています。
部品はプラスチック製でそれにグリスがたっぷり塗ってありました。強度不足でしょうか?耐油性のプラスチックじゃないんでしょうか?わかりませんがとにかく再生不能でした。
幸いこの椅子は背もたれ角度のロック機能がありますからスプリング強さの機能は廃止することにしました。
とりあえずしばらくはこのまま使えそうです。
外見はかっこいいのですが、中身はどうでしょー。素材も設計も加工もすべてにおいてコストを掛けないちーぷなつくりにみえます。安いのには理由があるのですね。世の中そうゆうもんです。
今のモデルはたぶんガッチリ改良されているんでしょうね、そう信じたいです。
しかしわたしは次買うときは地味でも作りのいいやつ買います。